金網の規格について
Standard
メッシュ
25.4mm(1インチ)一辺の網目の数を指します。
メッシュ数が多ければ細かい網、少なければ粗い網を指します。
縦横の網目が異なる場合もございますので、その場合は縦何メッシュ・横何メッシュとご教示ください。
開き目
JIS規格に基づいた網目の寸法表示の方法です。
クリンプ金網:JIS G 3553
菱形金網:JIS G 3552
溶接金網:JIS G 3532
開孔率
一定面積における空間の占める割合です。
メッシュが同じでも線径によって開き目、開孔率が変わります。また、異なるメッシュでも同じ空間、同じ開孔率を得られる場合もあります。
使用方法に適した線径、開き目をご検討下さい。
金網の種類
Type
織金網
平織金網 (JIS G 3555)
最も一般的な織り方で、縦線と横線が一定の間隔を保ち一本ずつ相互に交わっている金網のことを指します。「メッシュ」「スクリーン」「ゴーズワイヤー」など様々な呼称があります。
線径とメッシュで表示し、1.5メッシュの粗い目から400メッシュまで網目のサイズラインアップの幅広さや安価であることが特徴と言えます。
主な用途としては防虫網や調理器具また工事関係など多岐にわたります。材質は、SUS304・SUS316(耐酸性)・SUS310S(耐熱性)・亜鉛メッキ線・真鍮・ブロンズ・燐青銅・銅・モネル・ニッケル・チタン・アルミ 等がございます。
綾織金網
相互2本以上ずつ乗り越して交わっている織り方の金網のことを指します。
メッシュに対して太い線材で製作されていることが特徴で、現在20メッシュ程度から635メッシュまで幅広く種類がございます。220メッシュ以上の細かい網では主にこの織り方で製作されています。
平畳織金網
平織の構造で横線が写真のように相接触して並んでおり、おおよそ50メッシュから500メッシュまでの種類がございます。
平面的な開き目は無いので正確に計算表示はできませんので実験参考値となりますが、縦線と横線の交差部の隙間があるので液体や空気はそこを通過いたします。
この特性から高い圧力に対して耐久性があり、各種濾過遠心分離機・ストレーナー・脱水等の分離用にとても効果的です。
綾畳織金網
高メッシュで織金網の中でも最も網目が小さい金網です。畳織金網の構成を綾織にしたもので、横線は金網の表裏両面で密着しているため畳織金網の2倍の密度を持っています。
メッシュに対して線径が太いものが可能となり、3500メッシュ程度まで製作可能です。
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クリンプ網(JIS G 3553)
クリンプとは英語で「波を付ける・カールを付ける」という意味であり、その名の通り線材に波状の屈曲を施して縦線横線をはめ合わせて作った金網で互いに強固に組み合わさっています。
織金網よりも線径に対して広い空間が製作でき、網目は正しく保持されていながらも目合いの調整は比較的自由にできるのが特徴です。
また、網目は線と線の内内の寸法(目開き)で表します。
一般的な既製品サイズもありますが、特注の製作寸法のご対応が容易です。
平織クリンプ網
見た目は平織のようですが線材にクリンプ金網と同様の折り目がつけてあり、通常の平織金網よりも強固に織合わさっています。
平織金網やクリンプ金網では対応できないバランス(線径と網目)の金網を織れることが特徴です。
特に太い線径かつ細かい網目の金網を織るのに適していて用途に合わせた製作寸法品などで多く使われていて受注生産のみで、既製品はありません。
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溶接金網 (JIS G 3551)
太線φ10まで製作可能!
特寸法切断・特殊ピッチ製作・立体加工・枠付け加工可能です!
溶接金網とは線材と線材が直角に交差していて交点が溶接してある網のことです。
特徴としては、溶接してあるので目崩れの心配がなく織金網よりも強度に優れています。
また織金網と違い裏表があります。
網目の表し方は、「ピッチ」です。
ピッチとは線材の中心から次の線材の中心までの距離のことです。
主な用途としては、スーパーなどの陳列棚やフェンス、鳥カゴ等々
大きなところでは工事などのコンクリートの骨材、動物園の檻など様々です。
製作の際には基本的に枠型が必要となります。これにより同一仕上げの製品を数多く&安価に製作可能です。
ファインメッシュ等の細かいピッチのものは巻いた状態での仕上がりとなりますが、フラット加工等の対応も可能です。
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フラットトップ
中間の線径・目開きも対応可能です!
クリンプ金網の一種でクリンプが施された線材を使い表側には凹凸がなく平滑にした織り方のことです。
ワークなどを受ける際にクリンプ金網は点、溶接金網は線で受けますがフラットトップ金網は線かつ面で受けることができます。
振動篩(ふるい)に使われることが最も多く、篩に使用される際には通常のクリンプ金網の場合は交点に摩耗が集中してしまい破れやすいですがフラットトップ金網は摩耗が均一なため破れにくく長寿命です。
豚舎などの床材としても使われており、凹凸が無いので動物を保護できます。
材質や型との兼ね合いもありますが、φ1~φ24までの線径にて製作可能です。
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振動篩金網フック加工
振動篩(ふるい)用の様々な金網にフック加工が可能です。対象物により、材質・網目・線径・織り方が異なってきます。
トンキャップ金網、タイロット金網などの網目が長方形の金網については、処理物の流れ方向に対しての網目方向(スロット)があります。
フック加工の種類
折曲げ
板を用いずに、金網の線に直接曲げ加工を施したタイプです。
※線径4.5φ以上に適しています。
U型平鉄溶接止
曲げ加工した板を金網の線に溶接したタイプです。
※線径4.0〜6.0φ程度に適しています。
鉄板巻き
U字に曲げた板の間に金網を入れ、曲げ加工したタイプです。
※線径1.0〜4.0φ程度に適しています。
鉄板巻きリベット止
フック板の間にゴムパッキンを入れたタイプです。テンション分散と金網抜け防止の為、リベット加工を施してあります。
※線径1.0以下に適しています
ご要望に応じて、以下のような加工・処理も行います。お気軽にご相談ください。
- ほつれ止め防止
- 折曲げ加工
- シリコンゴム加工
- リベット加工
など
変則織
製造するために必要な型の組み合わせや、金網そのものがもつ特徴などによって網目の開き方が変則的な網のことです。
トンキャップ網
空間率が高く目詰まりしにくく、処理物の流れに対して網目の方向を選択できます。
タイロッド金網
トンキャップよりも開口率が高く長細いのが特徴です。
粘度が高い流体の処理に向いています。
井桁状
二本づづの縦横の線材が通っていて井桁状になっています。
メッシュベルト
主に産業用に使われる搬送処理を目的としたベルトです。
工業製品の焼き入れなどの熱処理や洗浄処理、あるいは食品などの蒸し処理に使用されています。
すでにご利用されているメッシュベルトのサンプルをご用意いただくとスムーズな対応が可能です。
メッシュベルトの選定基準
①材質
②織方
③規格表示
④寸法
⑤使用条件
⑥その他の特殊加工の必要性
Bタイプ バランス型
バランスタイプと呼ばれていて最も多く使われているベルトです。
構造は、右巻き、左巻きのスパイラル状の線材が交互に「力骨」または「ロッド」と呼ばれる線材に連結されています。
この右、左のスパイラルを組み合わせることによってバランスが良くなり、蛇行に強く仕上がります。
Bタイプの場合は力骨にクリンプ加工が施してありそれにより網目のピッチの調整がしやすく製作寸法に対応しやすいです。
また比較的安価に製作できるのも多く使用されている要因の一つです。
用途は幅広く使用されているため絞れませんが、生産、熱処理、食品工場などで使用されています。
特長
- 蛇行を自発的に修正する
- 張力によるベルトの変形の防止
RBタイプ 直線バランス型
直線バランスタイプと呼ばれているベルトです。
構造は、Bタイプと同じく右巻き、左巻きのスパイラル状の線材が交互に「力骨」または「ロッド」と呼ばれる線材に連結されています。
この右、左のスパイラルを組み合わせることによってバランスが良くなり、蛇行に強く仕上がります。
RBタイプの場合は力骨がクリンプ加工でなく直線になっています。
目が細かい為安定感があり運搬中の損傷を最小限に抑えられます。Bタイプに比べると広いピッチの製作には向きません。
用途は幅広く使用されているため絞れませんが、安定感があるため、小さな物や安定してほしい物の運搬に使用されます。
特長
- Bタイプの特徴を持ちながら太い線径で製作可能
- Bタイプの中でも最大の張力を持っている
DBタイプ ダブルバランス型
ダブルバランスタイプと呼ばれているベルトです。
構造は、右巻き、左巻きのスパイラル状の線材が二重(2本ずつ)になっており、交互に「力骨」または「ロッド」と呼ばれる線材に連結されています。
目の細かい物は直線、荒い物はクリンプ線の力骨を使用しています。
用途はBタイプの特徴を持ちながら線材が倍になっている為、強度、耐熱性に優れており熱処理の分野で使用されることが多いです。
特長
- B,RBと似た特徴を持っていますが強度が上がっており熱にも強い
- ダブルになった分重量が重い
Sタイプ シングル型
シングルタイプと呼ばれているベルトです。
構造は、同一方向のスパイラル状の線材が直接連結されています。よく見かける菱形のフェンスと同じような作りになっています。
他のベルトと比べると強度の面で劣りますがその分重量も軽く様々な設備で使用しやく安価で製作ができます。
用途は、軽量かつ安価なので汎用性が高く幅広く使われていますが、特に食品関係など軽量のものを運搬する際に使われます。
特長
- 作りがシンプルで汎用性が高い
- 軽量
- 安価
Hタイプ ヘリンボン型
ヘリンボンタイプと呼ばれているベルトです。
構造は、右巻き、左巻きのスパイラル状の線材が詰め合わせられていて1本の線材に対して3~4本の直線力骨が通してあり、それが組み合わさって構成されています。
ベルトの中で最も線材の量が多く密集している為、耐久性、耐熱性に優れておりベルトの表面もフラットなので安定感がありますが、ベルトの重量が重くなります。
また、網目の開口率がほぼゼロに近いのに係わらず通気性、通水性があることも特徴です。
用途は、耐久性、耐熱性から、熱処理分野や工事関係などが挙げられます。
また、ベルトの表面が滑らかなので小物や不安定な物にも使用されます。
特長
- 全ベルトの中で最大の張力がある
- 耐熱、衝撃に優れている
- 目が細かく安定感がある
ご要望に応じて、以下のような加工・処理も行います。お気軽にご相談ください。
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メッシュデミスター
細い線材をメリヤス状に織り、その金網にウェーブを付け重ね合わせた複雑な網目でかつ空間率が極めて大きいものです。分離作用をより効果的にする分離促進器であり、気体に含まれる不純物をワイヤーメッシュデミスター内の線条によって捕集分離除去する一種の噴霧分離機です。
簡単に説明いたしますと気体中の不純物が細かい複雑な網にくっついて気体だけが抜けていくということです。
メリヤス織は伸縮性を持たせる織り方で靴下などの織り方にも使われています。同じ機械で織ることができます。
用途としてはミストの除去分野・公害防止・分離効率(空気より水・油を分離する方法の一つで、粉体の分離には不向きです。)が多いです。
石油などのプラント設備などに多く使われ、身近なとろこですと焼肉屋などの空調設備にも使用されています。
菱形金網・フェンス
網目を菱形に編んだ金網です。主にフェンスなどの危険防止・防護用に用いられ、窓保護網・外柵フェンス・鉄道や道路の安全網・その他広範囲の用途に利用できます。
張替も容易で損傷した線を入れ替えるだけなので低コストで、長さ調節も同じ要領で行えるので容易です。
金網の端部がほつれないように水平ナックル・完全ナックル・加工なしからお選びいただく必要があります。
材質はビニール被覆線、亜鉛メッキ鉄線、ステンレス線などがあります。
※フェンス資材、その他施工・修繕も承ります。
亀甲金網
線材を交互にねじり合わせた金網で、網目が亀甲状になっています。
材質はSUS、亜鉛メッキ鉄線、銅、ビニール皮膜(緑・黒・白)等がございます。
パンチングメタル
パンチング加工(穴あけ)が施された板状やシート状の金属材料です。機械、装置カバー、エアフィルター、篩、排気マフラーなど様々な用途に適します。企画在庫品以外での特注品製作も可能です。
※ご注文に応じてレーザーカット、NCパンチプレスも対応可能です。
エキスパンドメタル・アートメタル
金属板をエキスパンド製造機によって千鳥状に切れ目を入れながら押し広げ、その切れ目を菱形や亀甲形に成形したメッシュ状の金属板です。スタンダードタイプやグレーチンングタイプ、フラット加工品があります。
また、比較的小さな網目になるように切開伸長したものをアートメタルと言います。
合成繊維網
材質は、ポリエチレン・ナイロン・ポリエステル・ポリプロピレン・ケブラー・ガラスクロス 等がございます。
その他
モノづくりの現場において、用途やその使用方法などによりステンレスや鉄線が不向きな場合がございます。
材料の持つ性質や加工方法により様々な製品が誕生しています。
(例: 耐摩耗性=ウレタン)
(例: 耐衝撃性=ラバー)